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Tシャツ印刷業 企画書

顔料レジンインク+フラットベッドプリンタ  Insta社 Model128
顔料レジンインク + フラットベッドプリンタによる、Tシャツ直接印刷
システム特長のご紹介です。 昇華転写や他の各種印刷手法との比較も。

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1. 市場の将来性                             
  アパレルを取り巻く環境は依然厳しいようですが、一方では、「キャラクター
アパレルが広がり出した」というニュースも流れています。背景には、「消費者
は、本当に欲しいもの、必要なものしか買わない」という時代の流れがあるよう
です。このような時代に売上を伸ばすには、ニーズの多様化・個性化に対応する
しかありません。印刷手法として、デジタル印刷手法の採用が増える理由です。

 中でも注目を浴びているのが、フラットベッドプリンタです。デジタル印刷の
特長(無製版なので短納期、製版コスト0円)に加えて、前処理の無い素材に印
刷・密着する顔料レジンインクが登場したからです。本レポートは、各種印刷手
法と当社のNF-4000システムを比較しながら Tシャツ印刷業の採算性などをご紹
介をさせていただきます。                        



2. インクジェット直接印刷の長所                    
2-1. 従来手法との違い                         
 Tシャツ印刷は現在も従来手法が中心です。多くはスクリーン印刷で行われて
います。大量加工の場合には、オフセット転写印刷も活躍します。それ以外の部
分をデジタル印刷が担当しています。数の少ないもの、納期の短いもの、写真画
像などフルカラー印刷が必要なものなどはデジタル印刷が最適です。     

 デジタル印刷の中には、レーザープリンタ・カラーコピーの転写印刷、インク
ジェット転写印刷、溶融型プリンタ転写印刷などがあります。しかし、これら転
写印刷は、色材と一緒に樹脂フィルムがTシャツの上に転写されます。フィルム
は画像のない部分にも付着し、素材感が変わり(ごわごわ硬くなる)、通気性も
悪くなります。ニーズの多様化・個性化が進んでも、デジタル印刷が伸び悩む理
由になっていました。                          

 昇華インクの転写なら風合いは変わりませんが、この場合は素材がポリエステ
ルに限定されます。Tシャツ素材は綿が圧倒的です。フラットベッドプリンタの
登場で、初めて前述した欠点が除去され、デジタル印刷による綿Tシャツへの直
接印刷が可能になりました。                       


2-2. 他デジタル印刷との違い                      
(1)生地風合いが変わらない                       
 直接印刷なら、他の転写方式のような顔料固着用の樹脂フィルムを必要としま
せん。インクだけがTシャツに付着します。顔料レジンインクはインク中に樹脂
を含んでおり 印刷後の熱処理で硬化して素材に顔料をしっかりと固着させます。
風合いも通気性も印刷前と殆ど変わりません。               

(2)耐久力                               
 転写印刷で表面に付着する樹脂フィルムと異なり、直接印刷されたインクはT
シャツ内部に入り込みます。印刷後の熱処理によって、素材にしっかり固着しま
す。転写印刷より高い耐洗濯性が期待できます。昇華インクとの比較では、色素
が顔料なので2〜3倍の耐光性があります。ただし、顔料レジンインクは、引っ
かきに弱いという欠点があります。この欠点をカバーするためには、洗濯の際に
裏返しにして洗うことが有効です。                    

(3)印刷コスト                             
 カラーコピー、レーザープリンタの転写紙はA4サイズで75円程度です。この他
にプリント代(A4サイズ1枚、10円〜20円)が掛かり、合わせると85円〜95円に
なります。インクジェット顔料インク用転写紙も、A4サイズで90円程度です。
 直接印刷なら転写紙が要りません。 消耗品はインク(当社Heatset-S顔料レジン
インクの場合 A4サイズ10円〜12円)だけです。大きなコスト差を付けられます。



3. 当社 NF-4000システムの競争力                    
3-1.システム構成                            
 下記のような要素から成ります。NF-4000プリンタを導入して、初めて印刷業に
参入する場合の設備への初期投資額は、210万円程度になります。       

・ パソコン & スキャナー等10〜30万円
・ NF-4000プリンタ (EPSON PX6000改造プリンタ) 
・ ソフトウェアRIP (PosterPrint 19") NF-4000に同梱    −
・ インク自動補充装置         NF-4000に同梱   −
・ Insta社熱処理機 M-128
 M-128は生産終了→ 現在はM-138となりました。
 12.6万円
 

計 210.6万円 (※PC&スキャナー
等を30万円とした場合。仕事によ
っては、より低価格なPCやスキャ
ナーで十分なこともあります。)
・ Heatset-S顔料レジンインク 4色(CMYK)1色あたり24,600円/L
3-2.特長                                 (1)プリンタ                                NF-4000プリンタは、EPSON PX6000改造機です。印刷性能についてはEPSONの資 料をご確認ください。                           (2)ソフトウェアRIP(PosterPrint 19")                    システム価格にに高級 RIPが含まれているのが特長です。PosterPrint 19"は、 業務用大型インクジェットに使用される税抜き定価59万円の幅限定版が標準添付 されています。カラーマネジメントに優れたPosterPrintだから、7色(ライト系 色でなく Red/G/GY)を駆使でき、満足できる濃度と明るさが得られるのです。4 色あるいはライト系色(LM/LC)までしか搭載しないこれまでのフラットベッドプ リンタとの違いです。                            (3)インク自動補充装置                           使い捨てカートリッジと異なり、インクを追加補充できます。インクを無駄な く消費でき経済的です。                          (4)Heatset-S顔料レジンインク                        樹脂をバインダーとして分散させた水性顔料インクです。反応性染料のような 前処理、蒸熱処理、洗浄処理は不要です。印刷後の乾熱処理で樹脂が硬化し、素 材に強固に接着します。通気性・吸水性を損なわず肌にも優しく、ホルムアルデ ヒドの含有量も法定基準値以下のインクです。同種インクとの違いは、発色と価 格です。発色は最高レベルのインクです。 価格は、1色あたり24,600円/L (税抜 き価格)です。                               4. コスト計算例                               トナー転写や昇華インクジェット印刷のA4サイズ片面転写白地Tシャツは、 例えば下記のような価格で販売されています。                0〜9枚     10枚以上     50枚以上    100枚以上  ---------------------------------------------------------------- @2,000円    @1,800円    @1,300円    @1,150円   一着 1,150円(最安値)で考えて見ます。仕入れ値を、綿Tシャツ300円と、イン ク代+管理費1着20円程度と考えると、830円/着 程度の利益が残ります。    (1)片方向印刷                               プリンタ速度は 1440x720dpi解像度でA4は4分なので、脱着時間を考慮して 6分で計算する。人件費を除く、月(20日×7時間)の印刷粗利を計算すると    20日×7時間×60分/6分×830円=116万円(1,400着/月)        になります。月30万円程度(パート1000円/時なら14万円)の作業者を二人( 印刷とPC操作)雇えば、利益は56万円/月(パートなら88万円) 残ります。   パソコン・スキャナ30万円を含めた、Insta M-128型12.6万円とプリンタの 購入費用は210.6万円。 ハードへの初期投資分の償却は、3.8ヶ月で(パート なら2.4ヶ月で)可能です。                         なお、熱処理時間は150℃x5分で、一人の作業者がTシャツのプリンタへのセ ットと熱処理を担当できると考えました。                  (2)双方向印刷                                この場合は、A4は2.5分なので、脱着時間を考慮して4.5分で計算します。人件 費を除く、月(20日×7時間)の印刷粗利を計算すると              20日×7時間×60分/4,5分×830円=154万円(1,866着/月)        になります。月30万円程度(パート1000円/時なら14万円)の作業者を二人雇え ば、利益は94万円/月(パートなら126万円) 残ります。Insta M-128型12.6万円 二台とプリンタの購入費用は193.2万円。機械への初期投資分の償却は、2.1ヶ月 で(パートなら1.6ヶ月で)可能です。※M-128は生産終了→ 現在はM-138となりま した。                                  (3)高速印刷(仕事量がある場合)                       これは、双方向印刷条件で三枚冶具搭載のテーブルタイププリンタを使用した場 合です。三着の印刷が、3.5分+3.5分+4.5分=11.5分(1着3.8分)で行えます。 月(20日×7時間)の印刷粗利を計算すると                   20日×7時間×60分/3.8分×830円=183万円(2,210着/月)        になります。作業者三人(印刷二人とPC操作)なら 利益は93万円/月(パートな ら145万円)残ります。転写機二台と、プリンタ184万円の購入費用は209.2万円。 機械への初期投資分の償却は、2.2ヶ月で(パートなら1.7ヶ月で)可能です。   5. 商売を始めるにあたっての考察                       月間 1,400着のTシャツ印刷量を考えた例で、2.4ヶ月〜3.8ヶ月で設備償却が できる計算でした。一般的な二年償却の考え方なら、140着〜220着/月でも良い 計算になります。1,400着/月あれば、残り 98万円〜104万円が毎月の粗利になり ます。既に会社が有り、スペースをお持ちの方ならこのような計算が可能と思い ます。                                   Tシャツ印刷を始めるなら、濃色地Tシャツへの印刷も考えなければなりませ ん。この用途のために当社では、フロッキー転写紙やトナー用および溶剤インク 用白色転写シートをご用意しています。本企画書の直接印刷にこだわるなら、抜 染印刷手法があります。ミマキエンジニアリング社のGP-604Dプリンタでは 濃色 Tシャツへの抜染プリントができるようです(この手法は弊社でなく、メーカーへ 直接お問い合わせください)。                          以上                                  
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